「ワーク・ライフ・バランスフェスタ2025・不妊治療と仕事の両立支援フォーラム」を開催しました(12月1日)

ひょうご仕事と生活センターは2009年度に開設され、全国に先駆けてワーク・ライフ・バランスの推進に力を注いできました。その中で、働く人がやりがいを感じ、かつ多様な生き方を選択しながら働ける仕組みを先導的に取り入れている企業・団体を「ひょうご仕事と生活のバランス企業」として毎年表彰しています。今年度は、全国初の「不妊症等に関する支援推進条例」施行を受け、企業と不妊治療当事者団体による、「不妊治療と仕事の両立支援の取組」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。

パネルディスカッション

ファシリテーター:神戸大学大学院経営学研究科准教授 庭本佳子氏

パネリスト:不妊・不育症当事者団体 NPO法人Fine理事長 野曽原誉枝氏

パネリスト:アスカカンパニー株式会社(2018年度WLB表彰企業)執行役員管理本部長 門脇弘朋氏

【仕事との両立支援の取組】

野曽原 「当初の活動は当事者支援が中心でした。徐々に周囲の人々への啓発活動にも注力するようになり、現在は不妊治療と仕事の両立支援、当事者の心理的負担の軽減、国や自治体レベルでの制度改善にも取り組んでいます。」

門 脇 「短時間勤務制度やスライド勤務制度を導入し、従業員の生活状況に合わせた、柔軟な勤務体制を整えています。不妊治療を理由にした休暇も取得できるようにしています。」

【両立支援のために必要なこと】

庭 本 「不妊治療と仕事の両立支援をする際に重要なことは何だと思いますか。」

野曽原 「不妊治療には身体的、時間的、経済的、精神的の4つの負担があり、コントロールできるものとできないものがあります。女性の生理周期に合わせた治療となるため、通院スケジュールや体調変化などコントロールできない部分について、周囲の理解を得ることが当事者にとって心強いサポートになります。 」

門 脇 「それぞれの従業員の業務領域を広げることです。そうすることで、急に休む人が出たとしても助け合う体制が整い、結果として従業員の成長や業務の効率化、ひいては生産性向上につながるという好循環が生まれます。制度を利用して、休暇を取得した人をサポートした従業員を賞与で評価する制度も設けています。」

【働きやすい職場環境づくり】

庭 本 「工夫していることは何ですか。」

門 脇 「職場に言い出しにくい雰囲気を払拭するため、不妊治療休暇のことを「その他休暇」という呼び方にしています。また、兵庫県の制度を利用して、不妊治療についての理解を進めるための社内研修も行っています。

野曽原 「何をどこまで誰に話すか、話したくないのかは当事者本人の選択であることを尊重しつつ、言わなければサポートを受けられない可能性があることも伝えています。兵庫県の不妊治療支援の取り組みでは、当団体からアドバイザーを登録しています。当事者視点だけでなく、職場視点も持ったアドバイスをすることで、両者の負担にならないよう支援していきたいと考えています。」

庭 本 「不妊治療の特殊性についての理解を促進するためには、職場での人間関係づくりや業務の属人化の解消が欠かせません。ダイバーシティを推進する上で、個人の背景を想像する力をみんなで養っていくことが重要だと感じました。」